白内障手術顛末記

2000年の2月末右の目の白内障が悪化した為眼内レンズをいれる手術を受けた
手術は成功し視力は1.2まで回復したが以外とリハビリが長くかかり苦労した
その顛末記を述べて見よう。


                                    白内障手術顛末記その1

  1年半程前からから、何か朝起きたとき目がおかしいなと感じたが日中は気にならなかったが視力ん検査をし
 て見たら今まで両眼1.5だったのが右だけ1.0になっていた、これはいけないと思いながら注意していたが何故
 かどんどん悪くなって、物が2重に見える様になった、暗い所は特に見えないのに気が付いたのは一昨年の
 暮れだった。

  医者の診断では白内障による物だという、でもパソコンのモニターを見ることが仕事だったので注意しながら
 続けていたが去年の5月にはとうとう裸眼で0.3矯正しても0.7との診断を下された。白内障の進行を止める
 目薬を貰ったがどうも良く効かないし、忘れがちだった、いっそ手術をしようと医者に聞いたらまだ手術できま
 せん!と云われてしまいました、眼鏡を使いなさいとのことで仕方なしにめがねを作りました、良かった左目も
 弱い乱視になっていた。

  昨年の秋頃から益々悪くなりそれに吊られてか左も近眼になって来た、一番困ったのはゴルフで今まで見え
 ていたボールの行方がまるで見えなくなり本当に予定していた所へ飛ばないと何処へ行ったやら判らず面白
 さもガクンと無くなった、最後にはバンカーで砂との距離感が掴めずミスの連発だった。
 今年になりこれでは駄目だと紹介された池袋の大木眼下の診察を受けた、「白内障ですね手術しましょう」と
 即座に云われた、視力は右が0.08で矯正しても0.1しかなかった、左も0.7まで転落していたのだった。
 「直ぐお願いします」と言ったが混んでいてそうはいかず約壱ヶ月後の2月25日に決まった、私も腹を据えて手
 術に応じる事になった。

  とは言え目を切るわけですからやはり気になりやった先輩に色々聞いたが皆一様に「簡単簡単ほんの15分
 だから」、、、と大分安心する事は出来た、手術の3週間前に精密検査を受けて手術の承諾書を提出させられた、
 そして一週間前に更に検査を受け帰りに目薬を貰って今日から6時間置きに付けて下さいと指示が有ったい
 よいよ覚悟の時が来たのでと胸に言い聞かせた。

  そうこうしている内に日にちが来て明日は手術!入院はしなくても翌日眼帯のまま来れれば言いというので
 通院を選び「当日は日は朝ご飯を一杯食べて10時迄に来て下さい」との注意書きの通りにして前開きのパジ
 ャマを持っていよいよ手術の為眼科へ向かって不安と、期待の混じった気持で足を進めたのだった!


                                      白内障の手術顛末記その2
                                                               
  10時までという時間を守って遅れない様に急く気持と不安を踏みしめながら病院に着いたが相変わらず
 年配の人達で混んでいた、昨日手術したのか寝巻きを着て眼帯をしている人もいた、明日は私もああなって
 いるのかな等と考えているうちに看護婦が呼びに来た。

  手術前の検査が始まったでも検査は眼圧等一般的なものと院長の診察で直ぐ終わった、看護婦に案内
 されて2階の病室に通された「ここで手術まで着替えてお待ち下さい、手術は2時頃から行います、順番は
 跡でお知らせします」と言われ時計を見たがまだ11時前だった。拍子抜けだったそれまで何をして過ごそうか
 と考えながらパジャマに着替えて取り敢えず指定されたベットに向かった。

  部屋には既に2人の人がいて雑談をしていた、二人とも先週片目を手術し今日は残りを手術するとの事
 だった、以外に平気な顔をしているので少し安心した。昼過ぎに看護婦が来て「順番をお知らせします、、、
 吉岡さんは4番目です」と宣告された、いよいよだと思いながらやる事もないのでベットに入り気持ちを静めて
 いるうち寝てしまっていた。

  「吉岡さん次ですからトイレに行って来ておいてください」といわれ廊下に出ると手術室の前にベットに
 横たわって順番を待つ人が見えた見ると点滴がセットされていた、又、一抹の不安が頭をかすめて行った。
 ベットで寝て10分も経った時「吉岡さんでは用意します!」と看護婦が呼びに来た、とたんに又トイレに
 行きたくなり、「一寸済みません!」と又トイレに駈け込んだがチャンと又でたのには驚いた。

  手術室の前で車の付いたベットに寝かされ、身体をベルトで固定され、頭に手術用のキャップを巻き
 手に点滴を入れられて手術する目の廻りを丁寧に消毒薬で拭かれて横たわった、横を見ると手術室の中の
 様子が見える、緑の手術着の人が4人忙しく動いていた。

  手術室のドアが開き前の患者が引き出されて来た、入れ変わりに「じゃ始めますよ1」と言われ私の
 ベットが手術室に運び込まれた、入ったら直ぐ手術する目の廻りをゴム状の物で完全にシールをした、そこで
 目薬を差された、これが麻酔らしい直ぐ瞼の上下を機械で大きく広げられた、勿論痛みなどまったく無い、

  「下を見てください、右を見てください、上を見てください、左を見てください、ハイ正面を見てください、
 眼を動かさないでください」と言われ必死に真上を見つめた、「では始めます」との声と同時に手術燈がパッ!
 と点灯した、一瞬目がくらんだが、我慢して正面を見つづける物凄くまぶしい手術燈の中心電極の3つの
 長方形がギラギラと燃えているそのまぶしさは太陽を見ている様だ。

   眼に消毒液で充分に洗われていよいよメスが入った近すぎて判らないが眼玉の上側を切っている様だ、
 時々視線が押されてずれるのが判る、「ハイ、これから一寸重い感じがしますよ!」の声と伴に本当にズンと
 重くなったと同時に手術燈が視界から消えて明るさだけ残った、何か吸い取っているような音がする、
 「レベル2」医者の声がする、「レベル2にしました」看護婦の声、重い感じが続く、、、

 「これからレンズを入れます!」の声の後急に目の前に手術燈の映像が揺らぎながら蘇った、凄くまぶしい
 必死になって正面を見つづける、、何か縫っているような感じが暫らく続いた、そして水をかけている感じがする
 洗っているようだ、突然「ハイ!終わりました」の言葉と同時に手術燈は消え見の前は真っ赤な景色が見えた
 「軟膏をつけてありますから」と言いながら眼を開いていた器具がはずされ同時に硬い感触の眼帯が懸けられた。

  手術は終わった、時間は15分位だと思う、強い痛みは無いが何か重い感覚と目の奥にやや痛みが残る、
 ベットに寝たまま部屋に戻された「暫らく休んでください、、」私ははいずる様にベットに横滑りにもぐり込み
 気持の落ち着くのを待っていた、強い緊張が取れたせいか何時の間にかまどろんでしまっていた。

  看護婦の声に起された、飲み物何にしますかと云うのでお茶を頼んで用意したお握りをぱくついた、目は
 全く痛くないのが変な気がする、同室の2人も飲み物と用意されお菓子を食べていた、何か目を動かすのが
 気になる、手術した目は少しゴロゴロする、看護婦が「後で呼びますから下で診察を受けてください」という
 それ迄又休む事にした。

  4時過ぎに呼びに来た、手術が2時半だったからまだ一時間半しか経ってない、手術した院長の所で
 眼帯を外す、真っ赤な丸が見える手術燈で痛めた映像だ、先生は独特なランプで目の術後の検査をして
 から金物の眼帯を付けながら「注意して下さい、眼帯は絶対外さない様に明日又来て下さい、後そちらで
 看護婦が説明しますから、、」と、看護婦の話は許可のある迄入浴、洗顔、洗髪、飲酒、重いものの持ち上げ
 は止めてくださいとの事、又目薬を帰りに出しますから6時間置きに3種類つけて下さい、又飲み薬は4日間
 出しますから、との事だった。

  兎も角終わった、後は結果だ!、私はゆっくり注意しながら帰宅の途についた。

 白内障手術とは一体どんな事をやるのか、それはこの次の図解で解説しましよう!!

  
                                    白内障手術顛末記その3

 ここで手術のやり方等を説明しましょう。
     
  先ず手術の2〜3週間目に詳細な目の検査をします、これは手術する事で、その人の目が何処まで回復する
 のか、又目をどの辺に合わせるのか(他の目に対して)角膜の細胞数の検査など、、そして1週間前に再度簡
 単な検査があって、そこで目薬を渡されます、これは手術する4日前から一日6時間ごとにさす、抗菌の為の
 目薬です。
 手術は画像を見ていただくと判りますが、目薬で麻酔してから瞼を器具で上下に開き充分消毒してから始め
 ます。先ず目薬で瞳孔を開き目の黒目と白目の境を横に少し切ります、そして画像に有るように超音波の注
 射針のようなもので水晶体の中身を吸い出します、この時一瞬目が見えなくなります。

   次ぎにその切開した所から「眼内レンズ」を挿入します、水晶体の袋はそのまま残るので眼内レンズは落ちず
 に安定する訳です。後はその切開した跡を一針縫います、ここの糸は暫らくゴロゴロした感じですが後で溶け
 るそうです、それで手術は完了です、時間は10分〜15分くらい。

 前にも書きましたがなんと云っても見えるのがとても気になります、水晶体の濁った物を吸い出す時が一瞬不
 安になります、本当に又見える様になるのか?と、、でもレンズを入れた途端まぶしい手術燈がはっきり見え
 たときはホットしました。

  手術した後は4日間抗生物質を飲み目薬は3種類渡され6時間ごとに一日4回2週間つけます。それも5分以
 上間を置いてつけなくてはなりません。

 手術後は次ぎの日の朝までアルミ製の固い眼帯をずれない様に伴創膏でべたべた張られて格好悪い姿でした。

   次ぎは手術後のリハビリについて述べて見ます。


                                   白内障手術顛末記その4

 手術した夜は矢張りねむれなかった。
 右目は少し痛いようなそしてゴロゴロする感じがずっと続いていた目は頑丈なアルミ製の眼帯をテープでずれ
 ないように止めてあり決して格好良くなかった、夜中にうっかり目をぶつ
 けたりしないか気になって寝返りも出来ない様で良く眠れなかった。

 でも兎も角寝る事が出来無事朝を迎える事が出来た、今日は10時の予約になっているので
 ラッシュの終わるのを見計らって早めに行く事にした、一体どうゆう風に見えるのだろう期待が不安を完全に
 打ちのめしていた、早く眼帯を取りたかった。

   病院に着くと直ぐ呼ばれてそこでいきなり眼帯を外されたいきなり異様な光景が目に入って来た、先ず目の前
 に真っ赤な円が見えてそしてそれ以外はギラギラ光った様なやけに明るくそして異常な遠近感だった、恐る恐
 る手で片目を交互に覆って見ると手術した右目で見た時は何故か物凄く明るい世界でハッキリと見える、左
 目の場合は何時もの見なれた景色だった。

   視力の測定をまず行った手術した目は1.0まで回復していた手術は一応成功らしい、でも
 この異常な遠近感はなんだろう、、、、くらくらする感じだ、、足元も危ない感じだ、、赤い
 視野の斑点は手術の時に目を動かさない様に一生懸命見つめていた手術燈の強烈な光が網膜を
 焼いていた結果だろうと納得出来たが遠近感だけは如何しても馴染めなかった。

   又明後日来る様に言われて後は看護婦さんの注意を良く聞いて守ってください!と言われた。
 看護婦の説明はとてもシビアだった「顔は洗ってはいけません蒸しタオルで軽く拭く様にしてください頭は洗っ
 てはいけません先生の許可が出るまで絶対洗わない様に、、目をこすったり押さえたりしない様に、
 お酒は1週間は飲まない様に、お風呂はシャワーのみ首の下だけ、、目薬は3種類でますそれを一日4回 5分
 おきに差してください」というものだった。

   となりの薬局で目薬と内服薬を貰い外へ出た、街の光景は異常だった今まで見たことも無い
 ような眩しい位の白い明るい光景だ手術した目がギラギラしている、左目は普通の光景なのだが何故か色が
 全然違う、遠近感の異常も何故か凄い感じだ、眼帯は取られたが又したくなるような違和感が続く状態だった。

   確かに良く見える様になったがこんな違和感があるとは聞いていなかった一体何なのだろう?
 手術の失敗か?不安がつのる、相変わらず目のゴロゴロ感はあり、視野の赤い円は消えていない、目の奥
 が痛い丁度溶接の光を直に見た後の紫外線で痛くなった目のような感じだった、

   帰りの電車の中でも見える光景は変わらなかった、家に帰る道も異常に見えたなにもかも経験の無い経験だ
 った、ふと気が付くと光るものを見ると右上から左下に向かって鋭い光の線が見えるのに気が付いた所謂フ
 レアと呼ぶ光の帯だこれはなんだろう、、気になる現象だ、でもあまり気にならない現象だ、なんと云っても
 遠近感の異常が問題だ。

   次ぎの日なって更におかしな事に気が付いた、それは左を見ると視野の右端の映像が少し黒く陰になって見
 える丁度手をかざした様に感じるのだ、、これは気になる現象だなんか色々と変な現象が現れるので気にな
 って来た、手術は巧くいったのだろうか?疑問が湧いてくるでも、もう仕方が無い明日先生に良く聞いて見る
 ことにしようと考えた。

   月曜日になって再検査を受けた、視力は1.2迄回復している赤い斑点はまだ消えていない
 よほど強い網膜への影響が有ったのだろう、色々な症状を先生に訴えたが院長は平然と「もう少し様子を見
 てください」というばかりだった、私も少し様子を見ることにしようと思い始めていた、今更ガタガタしても仕方が
 無いそれなら1ヶ月様子を見ようと云う事にした。


              白内障手術顛末記その5
                                                                          
   週2回行っている会社は竹芝桟橋の横のビルだ!晴れた日はとても良い眺めが広がり目を楽しませて呉れ
 る最近何故か右目と手術した左目を交互に手で覆って見比べる事が癖になって
 しまっている。私はここで妙な事に気が付いた隣のビルを見比べていた時に右目で見るとなんとビルが左に
 倒れるのだ!良く注意して調べて見ると上目使いで見ると左への移動が多い下
 の方はあまり動かない、即ち手術した右目の映像全体が左に傾いているのだ。

 この傾斜の映像には驚いた何故そうなったのか?原因は何なのか検討もつかなかった。
 だいたい調べて見ると約2度くらい右目で見た映像が下の方を中心として左に倒れるのである、
 その為下の方を見ていて上を見ると焦点が微妙に合わずくらくらするのだ。

   夜の光を見ると斜めのグレアが発生する現象があると報告したがこれはある日突然解消したまるで嘘の様に
 夜になっても光が斜めの線を描かないキットレンズが巧く収まったのだろ
 う、、一安心だ!。
 しかし予想した以上にその他の違和感が回復しないのは何か原因が有るだろと色々推測して見た、今までの
 可笑しな現象を並べて見ると、、、

      *視野に赤い斑点が残った--ーーーーこれは網膜の残像で問題無く1週間で消滅した
      *夜光った光源を見ると斜めのグレアが見える現象は文献を見ていて手術の際ソフトのレンズを半分に折って
      入れる事でそのシワが残っていたらしい事で説明が付く。--解決済み。
      *良く見ると手術した目の瞳孔のほうがやや中央上よりになっているのに気が付いた
      *右目の画像が左に倒れる現象がある、電信柱も倒れて見える
      *右目の右側に黒い陰が現れる私はこれら説明の付かない現象の原因をあれこれ考えて調べた結果次の結
      論にたどり着いた。

 それは人工眼内レンズが左斜め上にずれて入っているか、手術で瞳孔が巧くしまらなくなり左斜め上に移動
 してしまったのか?そのどちらかだと思った。

  その裏付を取る為色々実験して見た、先ず眼のレンズに近い凸レンズ(老眼鏡)を使って目の前にかざしそれ
 を目は1点を見つめたままレンズの位置を色々上下左右に動かして目の中にあるレンズがずれた状況と同じ
 様に再現して見た。

   するとレンズを右目に対して左斜め上にずらした時に丁度画像が斜め左に移動し裸眼で映像が傾いている状
 況に略近い現象が再現された、私はレンズが曲がって設定されたと確信を強めた。これで全ての異常現象に
 説明が付く!
 瞳孔の片寄りは良く見ると良い方の左の目もやや中心に寄っている、右ほどでは無いが、、
 でもこれも多少は影響があるかもしれない。

   私はこれらの現象を丁寧に図解して考察を書いて手術した眼科の院長に渡して読んで貰った
 院長は一通り読んでから、「瞳孔は皆中心にずれているのですよ、手術しなくとももっと酷い人はいますよ」と
 の事だった、映像の倒れについては「そうですか完全に直るのは3ヶ月くらい掛かる事もありますよ」、そして
 眼内レンズのずれに関しては「眼内レンズは元のレンズに比べて非常に薄い物ですから多少動く事もありま
 す」との返事だった。
 私は新しい目薬(炎症防止用)を貰って3ヶ月様子を見ようという事にして眼科病院を後にした。

   ほぼ3ヶ月経った5月下旬に私は慶応病院の眼科を訪れた、偶々一年前に受けた診察にケアの予約があった
 からだ、診察を受けたのは若い眼科医だった、私の訴えを聞いていたが「兎も角見せてください」と診察を受けた、
 色々診察をした結果「心配無いですね、手術は巧く行って目の度数もドンピシャリですね、目には6つの筋肉が
 あってそれが目玉を動かしているのですそれが麻酔か何かのせいで少しお かしくなっているのですね!」と
 事も無げに言われた、やや安心した、だが若造の威張った生意気な言い方が気に食わなかった。
 もっと患者の神経を気持を考えて発言しろ!言いたくなった。

  人間と言う物は面白いものだ、気にしていた現象は依然としてあるのだか段々と気になら
 なくなってくるから対したものだ、慣れの現象は面白いものだ、現在まだ目薬を朝晩つけている手術しない左
 目は0.7の近眼のままで手術した方は1.2〜1.5に視力でやや遠視気味で良く見える、手術して乱視にな
 る人も多いとの事で私の場合は良く考えれば良い方かも知れない、でもGOLFでグリーンの傾斜はまだ完全
 に読めないが、まあ、慣れるとしよう!。

              ---完ーーー