北海道、道東旅行記

梅雨でジメジメし始めた関東を逃れて北海道を少し旅してきました。
今回の旅は2泊3日の道東の旅でしたが、幸い天候に恵まれ快適な旅をする事が出来ました.
その駆け歩きの一部分を旅行記としてみました。


雲一つ無い霧の摩周湖

  旅行は久し振りだ!一月に台湾に行ったがその後白内障の手術や、家の改装などで出かける事が
出来ない日々が続いたからだ、、本州は梅雨前線に支配されているのでそれ以外と云うと北海道しか
ない、海外に行く程時間も取れない、時期も良い等の理由で直ぐ決まったが場所は何処fでも良か
った、どうせ広い北海道だからいっぺんで廻るのは不可能なので場所が限定している所、として迷
わず道東を選んだのだった。

  前に北海道に行ったのは確か20年も前だ、すっかり変わっただろうなと胸をときめかして降
り立ったのは帯広の空港だった、ここでツアーの一行が勢ぞろいした、人気がある
のか48名の大世帯だった、時間はもう3時に近かったが北国の日はまだ高く我々は一路阿寒湖に
向かってバスから見る久し振りの北海道の景色に見とれていた。

  先ず目に入ったのは広々とした牧草地に転がる牧草のロールだ、今丁度刈り取りが終わりそれが
黒いビニールに包まれてゴロゴロ転がっているのが目だった、ああ北海道だ!という感激がじわじわ
と湧いてきた。

  阿寒湖までの道は何も無く単調だった、つい眠くなりそうなバスの揺れに対抗しするガイドの
説明が面白くなんとか目を明けていられた、阿寒国立公園に入ると山合いが深くなり白樺の林と大
きな蕗の群生が続く、この蕗は北海道全域に見られるが、この付近
の蕗は特に有名で高さが2mにもなるものだ勿論食べると美味しい。

  ガイドの話ではこの白樺は痩せた土地に生え使い道が無くどうしょうも無い木だとのこと最近は
爪楊枝に加工されると言うがイメージとは大分違う話が面白い、北海道では何処へ行ってもこの白樺
と蕗が迎えてくれた。

  最初に訪れたのがエメラルドの水をたたえた阿寒湖の手前の小さいが神秘的なこのオンネト―湖
であった静まり返って僅かな靄のある湖面はなんとも云えない雰囲気をかもし出していた、
僅かな滞在時間であったが北海道の自然美が見えた気がした。

  阿寒湖はそこから直ぐ近かったもう6時近かったが北国は明るい、
ここでアイヌ衣装に借りて全員で記念写真を撮った、これは船着場にあった
木彫りの鹿とキタキツネであった、我々はここの阿寒湖畔の温泉宿に今夜の夢を結ぶ事とした、
食事後旅館の廻りにあるお土産やに足を運んだ、流石北海道で土産物は豊富だ、特に蕗の下に
住んでいると云われるコロボックルの色々な形の木彫りが珍しかった、
此れは髭もじゃのアイヌのおじさんが彫って呉れたもので細かい細工が見事だった。

  翌日も快晴だった今日は日程が厳しいという事で朝7時の出発だった、最初の訪問地は900
高原だったここからは阿寒岳や、摩周湖の廻りの山などが一望に見られ、北海道の雄大な眺めが楽
しむことが出来た。次ぎはいよいよ摩周湖だ、ガイドの話では今日は幸運にも湖面が見えそうだ
とのこと、期待に胸が膨らむ、、

  摩周湖に着いた、快晴だ!、バスを降りて坂を登って行くと突然摩周湖が姿を現した、皆から
一斉に「ウアー」と言う声が出た、私も知らずに声が出ていた!正に神秘の湖だった静まり
返った湖面に部分的に漣がたち向かいの山の陰を落としていてなんとも云えない景色だった、
暫らくの間、隅から隅まで目にしっかりと焼き付けた。

  摩周湖は水深が212mで鍋底のような形に深さの湖で一年中水深は一定、中央にある島は
三角形でなく殆ど棒状の先端が出ている珍しい島だとの事、生息するのは姫鱒、ザリガニだけだが
ここのザリガニは大きくて伊勢海老の様だという、色々調査をしているがまだ未知なところが多い
そうだ透明度は世界一で42.5mだが最近のDATAでは38.5mとなっている。

  何時までもその湖面の変化を眺めていたい思いを残したまま摩周湖を後にし、次ぎの硫黄山
へと向かった、ここは高温の瓦斯が噴出し硫黄が至る所に析出している、昔、網走刑務所の囚人が
硫黄の採掘に狩り出されて重労働を強いられた悲しい物語のある場所である、今はその様な労働は
行われていない平和な観光地である。 

  知床に向かう街道は野生の宝庫で熊や鹿が道路際に良く出没するとのガイドの説明に皆は窓外
の白樺の幹の間に目を凝らした、「いた!」誰かが叫んだ見ると道路脇に鹿が草を
食べている、バスは暫らく止まってサービスをしてくれた残念だが熊には出遭えなかった。

  ついにオホーツクの海に出た、海の向こうに見えるのが
知床の山々で中央の山が羅臼岳である、ここは春には流氷が押し寄せてその壮大さに息を飲む
らしいが今は平穏な海であった、ここから道路の無い知床半島を外側から船で見る観光を行う
予定だったが、先ず昼食をとる事になった、出てきたのはイクラ丼で派手さは無かったが味は
格別だった。

  添乗員の報告で今日は沖の海が荒れているので観光船は欠航との知らせが入った、残念だった、
1時間半の知床の眺めは又暫らくお預けとなった、そう云う事で食事場所に隣接している「さいはて
海鮮市場」でじっくり買い物の時間が与えられた、蟹をメインとした数々の海産物が豊富で買い気
をそそわれたが何故か割高の気がした、実際帰りに寄った旭川から札幌へ行く途中の「ハイウエイ
オアシス砂川」の方がはるかに安く特に蟹は1/3〜1/5位の値段だった、観光地はボッテいる
宅配料無料なんていっているが儲けが多いいからだ、、、確かに海辺と山の中の差はあるがどうせ
冷凍だから、、、、

  次ぎに訪れたのが知床5湖だった、本当は5湖廻れるのだが熊が出没して危険なので今日は
2湖までとのことで、皆恐る恐る熊笹の中へと足を運んだ、1湖は直ぐだった写真は1湖に臨む
羅臼岳で印象的だった、2湖まで辿りついたが帰り道で一もめした、それは周遊道路になって
いるのだが誰もそちらに行かず引き返している、熊が怖いのだ、私達は勇気を出して数人で挑戦
したがなんのことなくかえって近道でなんでもなかったやれやれ、帰りついて飲んだ水は美味し
かった。

  再び網走に帰る途中で「オシンコシンの滝」を見学、ここはリポビタンの宣伝に
使われた滝で、海と道路から直ぐの所にある、所が上を見ると何も無いとてもこの水が溜まって
落ちてくるような景色ではないのが不思議だ山の裾野の端っこが海に入る所に大きな滝があるのだ、
聞いてみるとこの水は地中を通って滝の上から噴出しているのだという、珍しい滝である。

  再びバスに乗りオホーツク海を右手に見ながら進んで今度は「小清水原生花園」に辿りついた、
オホーツク海と、とうふつ湖の間に出来た湿原でまだ時期は早かったが色々な花が咲いていた、
先ず目に入ったのが一面に咲く「すかしゆり」で鹿の子百合のようなオレンジ色の
花が美しかった、私は最初は薔薇かと思っていたらそれが「はまなす」の花だった、
薔薇科というだけあってそっくりだ、その他「キスゲ」の黄色い花や、黒百合等が見られた、
まだ寒いくらいの気温の中で短い夏を一生懸命生きているという感じだった。

  網走の街を通り今晩の宿泊地「温根湯」に向かった、網走と言えば刑務所がもっとも有名な
街である、行く途中で刑務所を車窓から垣間見る事が出来た、刑務所は後ろは山前は川に挟まれた
土地に立っている。これはシャバとを結ぶ唯一の橋である、又こちらは暖房も完備された鉄筋
コンクリート4階建ての獄舎が見える、昔は酷い木造の小屋で暖房も無い酷いとこだったらしい、
今は取り壊されるのを買い取って見物客に公開している博物館となっている様だ、昔は政治犯が
多く収容されていたが、今は割と軽い刑の人がで占められているとの事、でも「網走番外地」
なんて唄が聞こえてきそうだった。

  次ぎの日も快晴だった!温根湯温泉のホテルで星を眺めながらの大きな露天風呂に浸かり
早起きの疲れをほぐしたせいか昨夜は早々と寝てしまった。今日の最初の目的地は「キタキツネ
牧場」だった、園内はさほど広くなく至る所にキタキツネがうろうろ
している、良く写真で見るふさふさとした毛並みのキタキツネを連想していた私達は毛が生え
変わる途中の痩せこけた汚い感じのキタキツネは興味が半減した、犬とは違い何か野生を感じ
させる動きであった。

  ここは元々ミンク等を飼育する所だったと思われる、それを商魂逞しく観光牧場で稼いでいる
ようだ。キタキツネはご存知の様に「エキノコックス」という独特の寄生虫がいて、うっかり卵が
口から人間に入ると肝臓に寄生し成虫にならぬまま肝臓で大きくなりついには死に至らしめる恐ろ
しい寄生虫である、気味が悪い出口にも「必ず良く手を洗ってください!」と注意書きがあった、
説明ではここの狐は大丈夫と言われたが矢張厭なもんだ、場内は糞があちこちにあるので歩くの
にも注意が必要だ!

  バスは熊が道路を横断しそれを撮影した人が投稿ビデオ大賞になったという石北峠を越えて
一路層雲峡へと向かった、ここは有名な温泉と2条の大きな滝がある、一つは 男瀧とも呼ばれる
「流星の瀧」もう一つは女瀧とも呼ばれる「銀河の瀧」である、その謂れは
女瀧の形が真中に岩があり「女」という字に読める所からきているという、この2つの瀧は冬は
全面氷結し又違った景観が楽しめるという。

   層雲峡を降りてきた所に「アイスパビリオン」という氷の博物館が或る、ここは館内を氷点下
の世界>として楽しんでもらう珍しい体験館である、内部はマイナス20度でさながら鍾乳洞のように
氷で埋め尽くされている、観光客は専用の防寒着ヲ借りて中に入る、中に一個所マイナス41.5
度という日本の気温の最低記録を体験できる所が或る、ここは流石に冷風でガンガン冷やしていた
が流石に寒くそうそうに逃げ出した、ここに入場する時厳寒耐寒証明書を呉れるがその
裏のゆきだるまの目が青くなると記念品を貰えるという事で、良く見たら幸いにも私の雪だるまの
目が青くなっていた、出口で申し出たところ、なんと記念品はコチコチに凍ったバナナだった。

    旭川で自由昼食となったので早速有名な旭川ラーメンを食べることにした、団体バスが止まる
大型レストランなので疑問があったが見渡しても他に食堂は見当たらないので仕方無しにそこで
注文した、混んでいるので大分待たされた、結果出てきたラーメンは期待外れだった、醤油ラー
メンであったが汁は濃すぎて塩辛いし、麺は柔らかくて歯にまとわり付いた、矢張り団体専門の
レストランだから残念だか仕方が無いのだろう、食事の後少し柔らかくなってきた冷凍バナナを
食べた、口直しに最高の味だった。

  午後の観光は先ず美瑛の新栄の丘から始まった有名な写真家(確か前田・・)がここからのパッチ
ワークの様な畑の景色を紹介してから急に観光ブームにになり道路も整備されたという、一望に
見渡せる段々畑の景色は確かに広々として綺麗だがこのような眺めは他でも一寸探せば見れそうな
風景だった,しかし此れが全てルピナスなどの花で蓋われたら素晴らしい物であろう。

  次いで訪れたのが富良野の富田ラベンダーファームであった、ラベンダーファームの話しを
ガイドが詳しく話して呉れたが、子供の頃からの夢を実現し一旦成功したが人工の香料に追われて
廃業寸前となったが、残してほしいと云う切なる或る有名人の頼みを聞いて観光用に切り換えて
現在のような立派な観光農場になったという。
ラベンダーの見頃には10日早いといわれたがそれでも早咲きのラベンダーが紫色の穂をつけて
その他の花々と伴に咲いているのは矢張り北海道の景色であった、ここでは単に観光だけでなく
オリジナルのブーケとかアプレットなど、それと勿論ラベンダー類の香水販売などやっている、
立派な紫一色の観光地となっていた。
    
  富良野を見終わり私達の旅もあとは空港まで行き無事に帰るだけとなった、前にも述べたが
高速のサービスエリアに特別に設けられた「ハイウエイオアシス砂川」に寄ったここは観光の現地
で無いのでお土産特に蟹が安かった、大きなたらば蟹が一匹1000円から1500円で買える、
場所を選ぶと結構安い買い物が出来そうだ、旅行業者が連れて行く観光地の土産物屋はリベートが
多く業者と結託しているところが多いので注意が必要だ、かえって空港のほうが安心して買える
様だ。

  短い旅立ったが一応北海道の片鱗を見ることが出来た、此れも蕗の下にいるといわれるコロ
ボックルのお陰かもしれない、この次ぎは北の果て礼文島、利尻島に絶対行くぞ!と心に
誓ってお土産を手に飛行機に乗り込んだのだった。


阿寒湖畔でアイヌ民族衣装を着て

                  −−−−−−−完ーーーーーーーーー

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