山陰地方の旅その2

TVの天気予報で台風はまだ南の海上でウロウロしていると報じていた、昨夜は世界第2位の
ラジウムの黒っぽい温泉で第1夜の疲れを癒したがそのお陰でかぐっすりと眠れた、
今日も一日忙がしくなりそうだ。


足立美術館の庭園の景観

   今日の最初の訪問は足立美術館だ、私はこの美術館に対する知識は殆ど無かったその為全然期待は
してはいなかった、ガイドの説明では地元の実業家「足立全康」が昭和45年に造ったもので、横山大観の
絵画と庭園が有名だという、話しを聞いている内に街中の美術館に着いた、こんな所にどのような立派な
庭園があるのか疑問に思っていた。

  中に案内されて始めて庭園を見たとき全員から思わず「うゎ〜」と声が上がった、私も思わず見とれて
しまった、ここの庭園は松と白砂と植木だけでなく遠くの山も全て庭園の一部にしてしまっている、例え
ばこの遠景の右上に見える瀧も後で山を買い風景に入れられた人口の瀧だと言う、そこまで拘って庭
園の景色を造っているのだ。

  あんまり庭園が広いのでとても一度に写真に写す事は出来ない、ここは 庭園の右端に位置する所で
石灯篭とあずまや等が巧みに配置されている、又ここは中央に近い所でみる角度によって色々とその
表情を変える配置の妙がある、後ろの山までもが一体化し何時まで見ていても飽きない景色なのだ!

  単に庭園を綺麗にしている訳ではない、そこには巧妙な仕掛けが配置されていた、ここは床の間に
ついたての形をした空間を作り、実際の風景で何時も違った物が見れるように巧みに作られている、こ
の部屋では掛軸の形をした空洞を作り背景の庭園を掛軸としているのだ、更にこの額縁の形をした窓は
生の額縁と命名され、外の景色が、人物がそのまま絵画になる事が出来る貴方自身も絵画に入れるのだ!

  景色ばかり説明してきたが勿論この足立美術館の本道は横山大観の絵画である、その数なんと61
点それも大作ばかり所狭しと並べてある!、そんなに絵画に詳しくもなく審美眼が或る訳ではないがこれ
ばかりは自然に引き寄せられて仕舞う素晴らしさだ!!、大作の前にはベンチも用意されているが私も何時
の間にか座り込んで眺めていた、何点か私も知っている有名な作品にも出遭えて満足この上無しだった。

  其ればかりではない入口の横の陶芸館には「北大路魯山人」「河井寛次郎」のこれまた素晴らしい名作が
沢山展示して或るのには参った!の一語だった、残念な事に絵画も陶磁器も全て撮影禁止なのでその全貌
はとても伝えられないが正に「感動!」の2字に代表される展示だった。
  これは館内を示す案内図ですが解像度の関係で108kと重いのでご注意下さい。

  美術館の余韻で松江に行くバスの中は暫らく興奮が醒めていない感じだった、美術館でタップリと時間を
とったのでもう昼となっていた、今日のお昼は自由昼食だった私達はオプションの鯛飯を止め何処かで美味
しい物を探すことにした、暫らく散策してあるサラリーマンの為に開いている一杯飲み屋を見つけてここで
食べることにした、当り!だった!日本海で取れたてのカレイの塩焼きと宍道湖名産のシジミの琺瑯鍋焼き
は地酒とピッタリで正に絶品であった、又お値段もお手頃で申し分無かった。

  次ぎの目的地である鳥取の大砂丘に行く途中「お菓子の寿城」に寄った、ここはお菓子専門の大店舗で
上には展望のお城が立っている、ここの名物はトチ餅である、非常にアクの強いトチの実を3ヶ月も掛けて
アク抜きをして使うのでその味は濃くてコクがある美味しさなのだった。

  生憎と鳥取砂丘に着いたときは空はかなり曇って来ていたが雨は大丈夫だった、ここには馬の背と呼
ばれる大きな砂丘の丘が海岸直ぐそばに横たわっているこの写真がそうだ、人が豆粒の様にやっと見
えるのが判る、ここで色々写真を撮ったが雄大さを表現する事は出来なかった、砂の素材が高低さや遠近
感を消してしまうので詰らない写真になって仕舞った、目で見るのが唯一の景観だった!。

  その日は鳥取の砂丘まで来たので帰りは真っ直ぐ「三朝温泉」に直行した、この温泉は少し山の中に入っ
た所にある古い温泉地で、狭い所に昔ながらの温泉街が立ち並んでいる、街の間を流れる川には無料の
露天風呂があって回りから良く見えるのも愛嬌のある所だった。

  次の日は生憎少し小雨交じりの天気だったが白兎神社に着いた時はもう雨は上がっていた、ここは
有名な「因幡の白兎」の物語にある神社で海岸のこの島から白兎が鮫を騙して島から渡ろうとして皮を
剥がされ大国主の皇子に助けられた話しである、ここには話しの中に出てくる蒲の穂もあった、すっ
かり忘れていた子供の頃の歌を何時の間にか懐かしく口ずさんでいた。

  日本三景の一つ天の橋立に向かう途中で、津和野と並んで但馬の小京都といわれる「出石」に寄って昼
食を食べる事になった、ここは「皿そば]が有名である、街のあちこちに皿そばの看板が目に付く、オプ
ションで皿そばがあったが断って街の中でもっと美味しい店で食べようと近くのお土産物屋で聞いた店に行
った、皿そばというのは小さなお皿に盛ったお蕎麦をそばつゆと生卵、のリ、刻みねぎを混ぜて食べるので
足りないと一皿単位で追加できる仕組みである、素朴だが信州の流れを引く味は格別で満足できる物だった。

  出石はかなり多くの旧跡があり全部見るのはとてもツアーなどの短い時間で回りきれないのだが駆け足で
主な所を見て回った、街の入口に当たる所にあるおりゅう灯籠は柳と相俟って昔の面影を留めていた、
毎日8時(辰の刻)に太鼓を打って知らせ明治以降は時計に変わったという辰鼓楼という名の時計台もあ
りお決まりの武家屋敷とか数々のお寺や史料館、明治館、赤い土壁の酒蔵、等見る物が多いい所だった、
又ここには出石城址と城山稲荷があり入り口の橋を渡り連った鳥居をくぐると城址に出る事が出来る。

  思いがけず素晴らしい小京都の光景に感激し名残惜しい気持で出石を後にして一路天橋立に向かった
宮津湾と阿蘇海を分ける砂嘴が流れるように細長くのびる天橋立は白砂と松の見事なコントラストの景色だ
見晴台のある笠松公園へ行くケーブルの麓にある宮籠神社は神明造りの格式高い神社で「元伊勢」と
呼ばれていて倭宿稀命をお祭りしている、元々天橋立はこの神社の参道であったといわれる。

  見晴台(笠松公園)へ行くにはケーブルカーリフトがあるが同じ経営なのでどちらに乗っても良い事
になっている、頂上は狭いがここから有名な「天橋立の股覗き」が出来る、やって見たが確かに綺麗に見
えるこの人達を見ているのも一興だった、時間があれば天橋立の3.6キロを歩いて散策すると綺麗なのだが
残念な事にツアーの悲しみ時間が無く出来なかった!

  急ぎ足ながら日本国造りの原点、山陰地方のを旅して本当に何か日本の原点を見たような気がした、車窓
から流れる景色に色々な思いを馳せながら又何時の日かゆっくり来たいという思いに包まれながらこの旅に
お別れする伊丹空港へと急いだのだった。  
       

日本三景の一つ天橋立

              −−−−−−−山陰の旅、完ーーーーーーーーー

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