広島・山口かけある記/2

錦帯橋と白蛇に別れを告げて我々は次なる目的地へと再びバスのシートに身をゆだね
次は山口県から一旦出て島根県に入り小京都と言われる津和野に向けて山間を進んで行った。 、


津和野・殿町の濠の鯉

                 ★山陰の小京都津和野★
  
  山間を行くバスから紅葉のはしりであるななかまどの葉が綺麗に色づいていた、津和野につい
ての認識はあまり無かったが、山陰の小京都というイメージでバスを降り立ったバスガイドの話
では鯉が有名だと言う、話によるとここの藩主が情操教育と非常時の食料に備えて鯉を濠に放
ったのが年々育って町中の濠に鯉が育ったのだという、バスを降りて町の観光に歩き出した通
りの横の狭い濠には上の写真にあるような正に巨大な鯉がひしめき合っていた、その数は千五百
匹にもなるという。

  ここは狭い小さな町だが色々な史跡に恵まれているここは多胡家老門という重要文化財だが
指定される以前に門と家との間に行政道路が通ってしまったのでおかしな形になっている、又こ
この役場は旧家の大岡家老門をそのまま使っているのでも有名である、更にここはNHK等でも
放映された「鷺の舞」でも有名でその銅像がすぐそばにある。

  我々は行けなかったが文豪森鴎外の旧家も町外れにある、その手前の小高い山の上にあるの
が日本五大稲荷の一つである太鼓谷稲荷でこれがその入り口の鳥居である、ここから少し行った
所から山頂までこのような真っ赤な鳥居が1152本も連なっているのは壮観である。

  稲荷から降りてきて川辺に来て驚いたなんと川の中には巨大な鯉とその他鱒などが犇めいて
いるではないか、聞いてみるとここの川は上下1キロにわたり禁猟区だと言う、それにしても見
事な魚の群れであった。

                 ★黄檗宗東光寺★

  一行は又山口県へと舞い戻り萩市の黄檗宗東光寺を訪問した、ここは毛利家3代目毛利吉就
を始め、5、7、9、11代という奇数の当主がその夫人と共に祭られている所だ、ここの総門
は元禄6年の建立の重要文化財でこの宝殿も同じである、又この建物はよく見ると作りが土地の
傾斜に合わせて斜めに配慮されている、屋根がわらも紋入りで面白い。
お墓は毛利家と近親者たちのがあり500基に及ぶ灯篭が整然と並んでいる、これは家臣の身代
りとして立てられた物だという。毛利家の偶数の代の当主は近くの別のお寺に祭られている。

                 ★松蔭神社★  

  松蔭神社は江戸に渡り処刑された吉田松蔭が祭られているが吉田松蔭が松下村塾を開いた旧
跡がある所として有名である、この石碑はかの有名な首相だった岸信介さんの直筆で「明治維新
胎動の地」と書かれてる、境内の中には講義室とか塾跡とかが残されている、ここは幽閉された
住居跡として今も当時を忍ばせていた。  

                 ★土塀と夏みかんの萩の町★
  
  萩市は日本海に面した静かなまちである、城下町の一角は有名な史跡の町並みがあり旧家も
多い、高杉晋作の旧家祭られている神社や、伊藤博文の旧家、赤壁の酒蔵などが連なっている、
この白壁の通りは日本百選に選ばれた道でもあり美しい家並みだ、町の風情を守るためかアパー
トもこのような作りになっている、又、焼き物でも萩焼きとして有名で今でも多くの焼き物が
作られている、ロクロを扱う様子は観光化されている、これは焼き窯で下から斜め上に火が登っ
て焼く構造だ、窯元の家の壁には萩焼きの埴輪の焼き物が埋め込まれた巧みな演出をしている。
 萩の町を散策している内にもう日も暮れ暗くなりかけていた、お腹も空いてきた、我々は名残を
惜しみながら今夜の宿である波打ち際のホテルへと向かった。

                 ★青海島と秋吉台、鍾乳洞★ 

  翌日は泣き出しそうな空だったが幸い雨は避けられた、青海島(おうみじま)は知らなか
ったが日本海の島で佐渡に次ぐ2番目に大きな島であるが名前は知られていない気がする、でも
景色は非常に素晴らしく北長門海岸国定公園にも選ばれていて別名海上アルプスとも呼ばれてい
る。ここは中でも一番美しい16羅漢と呼ばれる名勝で岩が羅漢に見える所から名づけられた、
本当は船で廻ると素晴らしいらしいがツアーの悲しさそれは時間が許さなかった。しかし、我々
は次ぎの目的地である秋吉台と秋芳洞へと早くも心を馳せていたのだった。

  秋吉台はあまりにも有名な特別天然記念物のカルスト台地であり、その岩は羊が牧場で遊ん
でいるようにも見れる、紅葉にはまだ早くほとんど緑の草原だった、この石灰岩は地下に巨大な
鍾乳洞を作っている、特別天然記念物の秋芳洞だ通常入り口は上のほうから入る、歩くのに下り
なので楽なのだ、洞窟の高さは24m幅8m洞内でもっとも広い場所は高さ80m横幅200m
、延長は10km、一般に開放されている1kmには、黄金柱、大黒柱、洞内富士、傘ずくし、
くらげの滝登り、岩窟王、千枚田、百枚皿等など多数の奇岩がある、ここは下側の入口で表から
も壮大な洞窟ということが窺えた、秋芳洞はさすが有名なだけあって素晴らしい景観であった! 

                 ★瑠璃光寺と防府天満宮★

  秋芳洞を後にした我々は次ぎは山口の「瑠璃光寺」を拝観した、ここで一番有名なのは
日本画の様に美しいといわれる五重の塔であり傍らの池に映る景色は絶景である、この辺一体は
応仁の乱で京都から逃れた公家、僧侶、文人などが移り住んだので「西の京」とも呼ばれている、
本殿の門も立派な文字が印象的だった。
 飛行機の時間もあるのでここの見学もあわただしく終わり最後の目的地「防府の天満宮」へと 
急いだ、生憎雨がパラついて来ていた、防府の天満宮は大宰府の天満宮ほど立派ではないが学問
の神様である菅原道真が祀神904年に建立したものでやはり多くの学業成就を祈って多くの絵
馬が奉納されていた、神頼みは何処でもおお賑わいであった。
 夕方のラッシュに巻き込まれるので早めはやめに先を急いだが最後に関門橋で休憩を取った生
憎の空模様だったが対岸の九州との間にかけられたこの橋は雨に煙っていて又の訪問を促してい
る様だった。
慌しい旅だったが一応かいつまんで見ることが出来た、これらの中には又ゆっくりと訪れてみた
い名所も色々と在ったので、又来ようと思いながらもう真っ暗となって誘導燈のグリーンの綺麗
な福岡空港から山陽地方に別れを告げたのだった。
        

瑠璃光寺

  
ーーーーー完ーーーーー
                

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